壁面を美しく仕上げるための技術
壁面を美しく仕上げるだけならばともかく・・・
強固な壁体を得るためには洋風建築の工法や、外壁リフォームの方が優れています。
例文が「剥落せしめざるため」としているのは、今日の技術的見地からしても妥当な判断といわなければなりません。
いわばこれは、明治開化期を迎えるまでの日本ではほとんど採用されていなかった技術で・・・
まして平安中ないし末期では奇想天外の工法といわなければなりません。
高官頼長があえて壁塗技法の細部まで日記に遺した理由の第一は、つまりこの点に求められるでしょう。
次に注目されるのは、扉にも壁と同様に蠣灰を塗ったことです。
寝殿造殿舎で塗籠と呼ばれているところですら、扉は板扉であったことを思えば、これまた当時としては画期的な工法で、他に類例を見なかったものと思われます。
つまり頼長が特記した第ニの理由でしょう。